クロスの中でも最も多く使われているのがビニールクロスです。
他の素材に比べ安価で品質も安定しており、耐久性も高くお掃除がしやすいクロスで、色やデザインも豊富です。
ビニールクロスは、塩化ビニール樹脂などを主な素材とするビニールシートに紙などを裏打ちしたものになります。
表面加工の方法によっても分類することができ、例えば表面に凹凸のあるエンボス加工や発泡させたもの、プリントを施したものなど多種多様です。
クロスに様々な機能を持たせている商品も数多く見られます。

織物クロスは、レーヨン、絹、麻などで作られるクロスです。平織りや綾織、不織布などがあり、ビニールクロスと比べて高級感、重厚感があります。
ほこりを吸着しやすいので、定期的に掃除やメンテナンスが必要です。
ホテルや美術館などのパブリックスペースで使われることもあります。

和紙、ケナフなど非木材紙を原料としたものなども存在します。紙は音を吸収し、空気を通す素材です。また、環境や健康への配慮がなされている素材として注目されています。
ほとんどが輸入壁紙ですが、手すき和紙の紙クロスもあります。

紙と珪藻土を混ぜてつくられる「珪藻土壁紙」、金属やガラス繊維が原料の「無機質壁紙」、ポリエチレン・ポリプロピレンなどの合成樹脂を原材料とした「オレフィン」、薄くカットした天然木やコルクなどを紙と張り合わせた「木質系壁紙」、メタリックなクロスなどがあります。

消臭効果のあるクロスはタバコや気になる生活臭を表面に加工されている消臭剤が臭気ガスと反応し、吸着させて消臭効果が得られるという仕組みになっています。
もちろん、キッチンや洗面所、トイレ空間にもおススメですが消臭・抗菌効果がありますので家の匂いが気になる場所なら幅広く使用できます。
使用環境にもよりますが、効果が持続するのは10年程度だと言われています。

湿気の多い部屋の場合、クロスにカビが生えてしまうことがあります。
カビは見た目もよくないですが、衛生面においても人体に悪影響を与えるので注意が必要です。
そのため、部屋の湿度が高いようであれば、防カビ処理されたクロスを利用するのがおススメです。
特にダイニング、キッチン、洗面所、脱衣所、トイレなどの部屋に適しています。
防カビに関しては後でコーティングすることもできますので、そちらもぜひ検討してみてください。

衛生的に過ごしたい場合にかかせないのがこの抗菌機能です。
防汚機能と一緒に対応していることが多く、表面に抗菌剤が使用されていますのであらゆる菌の増加を抑制します。
キッチン、トイレ、子供部屋に使用していることが多いクロスです。
得に小さなお子様や高齢者といった免疫力が強くない方がいらっしゃるご家庭におススメです。その他にも部屋を衛生的に保ちたいというトイレや洗面所、キッチンなどにもおススメです。

一般的なクロスよりも強度が高く、比較的破れにくく傷がつきにくいのが特徴です。人通りが多い廊下や玄関、階段、リビングといった傷みやすい場所には最適な機能といえるでしょう。
スタンダードグレードのクロスでも取り扱いがありますので、お気軽に選んでいただくことができます。

クロスを選ぶ際には、耐久性も重要な要素の１つとなります。
特にひっかき傷などがつきやすい、小さなお子様がいるご家庭やペットを飼われているご家庭、人の出入りが多い飲食店や商業施設などは、クロスが剝がれてしまいやすい場所でもあるので、耐久性の高いクロスを選ぶことをおススメします。
クロスの表面に耐久性のある特殊フィルムが表面に張り付けてあるタイプを選べば、傷がつきにくくキレイな壁に保つことができます。

日本には梅雨があるため、年中を通して比較的湿度が高いという傾向があります。湿気が強くなるとカビが生えたり、不快で過ごしにくくなったりと、生活においてはマイナス面が強く現れます。
そのため、日本の住宅では湿気への対策が盛んに行われており、そのうちの一つとして吸放湿効果のあるクロスが選ばれています。
湿気が高いときには水分を吸収し、逆に乾燥しているときには水分を放出してくれるので、常に快適な湿度を保つことができるのです。

表面に特殊なフィルムをラミネート加工したクロスです。そのため、一般的なクロスでは落ちにくい汚れに対して水拭きや中性洗剤を使って落とすことができます。
汚れが付着しやすい場所や小さなお子様がいらっしゃり、落書きに困っているといったご家庭でも、簡単に汚れを拭き取ることができますので、お手入れが楽ちんになるはずです。

壁や天井に貼られているクロスからマイナスイオンが発生していると、常に部屋の空気をフレッシュに保つことができます。
マイナスイオンには森林浴と同様のリラックス効果があり、マイナスイオンを発生させるクロスを選べば、プライベート空間の癒し効果をさらに高めることがでできます。
実際に、クロスからマイナスイオンが発生する製品が販売されていて、そのような製品は、クロスの生地に天然鉱石が配合されています。それが水分と反応することでマイナスイオンを発生させるのです。

お子様のお部屋や暗がりの廊下などに人気なのは蓄光クロスです。
夜になると真っ暗なお部屋で眠れない・廊下を歩くときが暗すぎて困っている時に光がほのかに光りますので選ばれる方も多いです。また、昼間は普通のクロスと変わりありませんので、その点も選ばれている理由の１つでしょう。
通常証明や太陽の光を蓄え、消灯後約20分間柔らかい光を放ちます。

不燃性のあるクロスがこれにあたります。不燃性と一言にいっても、不燃、準不燃、難燃の3種類に分かれています。
これらは下地と防火性能の組み合わせによって同じパターンのものを防火種別として分類しており、不燃は20分、準不燃は10分、難燃は5分加熱されても燃焼せず、人体に有害な煙を出しません。
よく燃えない壁紙として勘違いされる方もいらっしゃいますが、これらは「燃えにくい壁紙」で、機能としては燃焼を少しでも遅らせ、燃焼拡大の防止、煙・有害ガスなどの発生を抑制することが目的のものです。
高層ビルやマンション、集合住宅などではこれらが必須の場合もありますので、確認をしてから選ぶことをおススメします。